特許庁から「デザイン経営ガイドブック」が発表されました。どの章も面白いので数回にわけてご紹介します。まずは「デザイン経営あるある」から。
デザイン経営あるある
「ノーデザイン・ノービジネス」といわれて久しいですが、経営へのデザインの導入には、いろいろハードルがあります。そんなあるある、あなたの会社・お店は大丈夫ですか?
経営陣の理解不足
・経営にデザインを用いることへの理解不足
特許庁「デザイン経営ガイドブック 」から引用
・商品デザインに力を入れていくことへの社内理解不足、コスト的な抵抗
・デザインの価値や役割の広がりを経営陣に知ってもらう必要性があった
経営陣がデザインへの関わりが積極的だと導入が早いようです。また全社的な取り組みになるため経営陣の関与は絶対条件のようです。
最近見学に行かせてていただいた伸びている製造小売の企業は、どこもデザインを管轄する部署が、社長直轄になっていましたので、 あらためて経営陣の関与が大切だと思います。
効果を定量化できない
・デザインがどこまで寄与しているかわからないので、評価が定性化にならざるを得ない
特許庁「デザイン経営ガイドブック 」から引用
・定性的な価値の言語化(難しい)
リサーチでは「経営陣の理解不足」や「教養の問題」との意見もあったようです。加えて私の意見は、経営陣の「センス」かと思います。デザイナーの水野学さんによると、「センス」は先天的なものではなく、学ぶものであるといいます。学んでいる経営者には、「デザイン・センス」や「経営・センス」が備わっているように思いまます。
そもそもデザインの評価は数値化ができないので、「経営理念との整合性」や「ブラアンド価値の向上」という論点で、デザインの効果を説得したというのも大きくうなずけます。
クラアイアントにブランディングの提案をする際、我々もこういった説得をしています。
ビジネスとの両立
・デザインが経営にどういった影響があるかを明確にできなかった
特許庁「デザイン経営ガイドブック 」から引用
・商品開発に関するコストがわかりにくい
・デザインの質があがるとことがブラアンド価値向上につながり、ブラアンド価値が上がることで最終的に売り上げのもつながること明確にする
デザインにかかる費用は真っ先にカットされやすい費用ですが、デザインの質で売上が変わることを経験された方も多いと思います。商品開発や店舗のなどの現場で、デザインに関す不毛な論争を生まないたまめには、まずデザイン戦略というかポリシーを、経営陣が明確にすることが大事だと思います。我々はまず「ロゴ規定書」の策定をおすすめしています。これだけでもデザインの統一感も作れますし、デザインを大切にする経営陣の姿勢、社内に浸透できます。