クライアントの研修をコーディネートさせていただき、研修先に同行しました。

研修先は、長野県のとあるホテルです。現在の長野県中野市で創業、今年で190年の歴史を誇るホテルで、1890年からは現在の地で開業されました。

ホテルのヒストリーを拝見しますと、後世に名を残した書道家や文豪などの芸術家にくわえ、偉人にも多く愛され、昭和から平成にかけては皇族もご利用になるホテルとなりました。

僕自身が長野へ出張のおりには、時々ですが利用し、クライアントにとってお手本になると思い、長野のクライアントを通じてホテルにお願いしたところ、ご快諾いただきました。

当日、長野駅に到着してすぐ2日間の研修がスタート。
まず、駅近くのホテルでランチバイキングを視察し、研修先のホテルに向かいました。

ロビーでは、今回研修にご対応いただくホテルの方々にご挨拶をして、チェックインタイムの前にも関わらず遠方からお伺いすることに心くばりいただき、各部屋で休憩させていただきました。

いよいよホテル内の施設見学がスタート。
あらゆるタイプの宿伯のお部屋を備えれており、どのタイプもシックで落ち着きを感じることができるインテリアになっています。
またバンケットルームも、あらゆるニーズに対応できるよう、いろいろなタイプの宴会場が完備されています。

施設内をご案内いただきながら、特に関心をもちましたのは、「清潔感」です。
しっかり清掃がなされそして、築年数がたった棟のお部屋も、輝くべきところはしっかり磨かれています。

またホテル内の絵画や書、またお軸やステンドグラスも、素晴らしいものばかりです。
バーで見ることができるステンドグラスは、昭和の初期、東郷青児画伯が制作した唯一のステンドグラスで、社章にもするほど想いをもって大切にされています。

多くの美術品を大変分かりやすく丁寧にご説明いただきました。
大変お詳しく、失礼ながら奥行きのある方だなと思っておりましたところ、「学芸員」の資格をお持ちとうかがいました。
ホテルには、「学芸員」の資格もつ方が数名おられ、会社として、「学芸員」の資格取得を奨励されているそうです。

接客やサービスを提供する場面で、間(ま)というか文章でいうと「行間」のようなものがあると思います。
言葉ではない間(ま)が、お客様や地域の人の心のなかに、ホテルのブランドの世界観を作っていくと思います。

業種は違えど、ジャパネットたかたの創業者 高田明さんの著書でも、この間(ま)を大切にしていることが書かれていたことを思い出しました。
「間(ま)は人間力」とも書かれおり、視聴者に商品情報のことばを信じて共感してもらうには行間が大切で、MCにはアナウンス技術をみがく以上に、茶道や花道をならわせ、人間力を高めることに注力されたそうです。

館内を見学せていただいた後は、銘木が床柱になった、素晴らしいお部屋で勉強会を開催していただきました。

その席でホテルの哲学をご紹介いただきました。
この哲学が根底にあるホスピタリティが、お手本になると感じたのかも知れません。

そして、より高みを目指しておられるお話をお聞き、「洗練」ということばをあらためて意識することになった2日間になりました。