この一ヶ月間、和菓子を食べた方は挙手を


滋賀県近江八幡市の株式会社たねやさんの本社へ、CEO山本さんの講演会に参加しました。本社と言っても、ラコリーナ近江八幡として、お店になってます。
まるでジブルの世界観を感じることができるお店で、来場者が年間250万人に迫るそうです。

黒いTシャツにジャージといういでたちで、山本さんは現れました。

「この一ヶ月間、和菓子を食べた方は挙手を」

パラパラと手が挙がりました。
松阪商工会議所の研修事業として、70名ほどで伺いましたが、山本さんは、「手が上がった方が多いほうです。」と語られ、「これが和菓子の現状です。」と今の和菓子市場の現状を語られました。

たねやさんの経営理念について語ってくださいました。
天平道  黄熟行  商魂
てんびんどう あきない しょうこん と読みます。
講演の間、何度も何度も語られていたこの経営理念を、以前友人からお聞きしたたねやさんのお店でのエピソードとあいまって、大切にされていることがよく分かります。
ご講演の中でオリーブオイルのお取引について、作っている人に感動して仕入れることにしたとのお話しは、ある意味、経営理念を体現されていると思いました。

また、本社内の講演会場の演台・椅子・黒板も、ハイセンスながら古いものをリメイクして使われています。その理由について山本さんは、「演台は教会で使われていたもの、椅子はフランスの小学校で使われていたものを、大人が座れるように補強して使っている。そこまでするのは、古いものしか出せない色がありそこに価値がある」とのお考えを語られました。

たねや クラブ・ハリエ のどちらも味もさることながら、ハイセンスなパッケージも有名です。それはブランドを表現するのに必要不可欠なわけで、ハイセンス=ハイコスト というわけではないですが、ブランドを表現するハイセンスなパッケージを実現するには、経営者の強い意志がないとなかなか続かないと思います。

そこでたねやさんのWEBサイトに組織図がありましたので見ていると、近頃注目を集める企業に共通なところを見ました。

それは、社長の直下に「アート室」があることです。

ノーデザイン・ノービジネスといわれている時代ですが、デザインをコストと捉え重要性を軽視されがちです。
できてきたクリエイティブがいいか悪いか(ブランド・アイデンティティにそっているか否か)の判断もしくは制作する部門が、組織的に経営者の近くにいないと、なかなかブランドを表現するデザインは実現できないと思います。
最近注目のブランドですと、茅乃舎さんや、中川政七商店さんなども経営者の近くにデザインを統括する立場の人がいるようにお聞きしています。

そして、もうひとつが「社会部」の存在です。単にCSRを担当するというような単純な部門ではないようです。これから活動の様子を注目したいと思います。

最後に台風が近づく雨の中、社長自ら傘をさしてお見送りいただいたのも印象にのこります。

たねや
http://taneya.jp/

たねや経営理念
http://taneya.jp/group/company/philosophy.html

 

2017/08/17  追記
たねやさんのアート室について、アートディレクターの木村冬樹さんのインタビュー記事が公開されました。デザインについて、たねやさんのポリシーが知ることができる、興味深いお話です。

「我が子のようなお菓子を包むのは、デザイナーの務め。」
https://cake.tokyo/featured/taneya/chapter_07