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すこし前になりますが、「みえ次世代育成応援ネットワークの10周年記念講演会」に行ってきました。
ワークライフバランス研究第一人者の渥美先生の講演で、三重県がかなり先進的な取り組みをしていることや、パネルディスカッションを通じて、関係者の方々が真摯に活動されていることがよく分かりました。

「みえ次世代育成応援ネットワークは子どもの育ちや子育て家庭を応援するだけでなく、会員企業や団体が、自社の働き方を自己改善して、ワークライフバランスがとれた働く場を増やしていこうというもので、この種の取り組みでは全国で初めて作られました。」     三重県鈴木知事のfacebook

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こうした取り組みは、行政が主催するイベントのボランティアのような、奉仕活動的な側面が目立ちますが、活動の真意は、鈴木知事がパネルディスカッションでも申されていた「企業が働き方の自己改善を続けていくことで、子育てしやすい社会を実現するところにある」ということを改めて感じた機会になりました。

10年で会員企業数が14倍に成長したこのネットワークの企業サイドにも、ワークライフバランスについて様々なノウハウが蓄積されているでしょうから、CSRをかじった者としては、それらがこれからシェアされ
次の世代を育成しやすい三重が実現できればと思います。

さてこの講演会で、鈴木知事が申された「企業の自己改善」という言葉が、大変心に響きました。
「企業の自己改善」とは、すなわち「労使ともに自己改善」することではないだろうか。

パネルディスカッションに登壇された、旭電気株式会社の前田社長のご講演を、以前拝聴したことがあり、目からウロコのようなお話はいまでも鮮明の覚えています。
そのご講演は女性が活躍できる企業の労働環境について、前田社長が実践してこられたことをお話しされていました。そのとき感じたのは、「仕事に人を合わせるのではなく、人に仕事を合わせる」ということです。
旭電気さんは、様々な困難を越えながら「企業の自己改善」をつづけてこられ、いまや従業員さんがご自身のご家族や彼や彼女を職場として誘う会社になられ、制御盤のジャンルでは世界でも一定のシェアを確保すほど、業績も上げてこられました。

どの業界も競争が激しくなるなか、市場での競争力を高めるまた維持するには、独自の優位性に磨きをかけ、なおかつ効率を高めることが大切なわけで、それがないとコスト増が考えられる「働き方を自己改善」することはなかなか進まないことになります。労使ともに働き方の自己改善が大切なわけです。

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もう一人のパネラー 株式会社エストの坂井さんとは、ブランディングの支援活動をはじめ、一緒にお仕事をするパートナーでもありますが、経営陣の一員として自社の働き方の自己改善を進めるお立場でもあります。
デザイン業界はともすると、夜遅くまで仕事するのが当たり前のような風潮があったりします。
しかし、それではいい仲間とこれからもいいお仕事をしていくことはできないと思われ、働き方の自己改善に取り組んでおられます。経営者団体でも大いに学ばれ、少しずつ前にすすめておられます。

さてこの坂井さん、もともとは優秀かつモーレツデザイナーで、バリバリとデザイン制作をされていたデザイナーですが、意識を自ら変えられ、社長ともども経営陣として、いい仲間とこれからもいいお仕事をしていくために活動されています。そうした活動を微力ながらお支えしたいと思いますが、キット素晴らしいお仲間が支えてくれるのではないでしょうか。

「過去と他人は変えれない。未来と自分は変えることができる。」

カナダの精神科医エリック・バーンの言葉として伝えられいますが、「労使ともに自己改善」という前に、経営者がまず自己改善をしてみるのもひとつではないでしょうか。そこから鈴木知事が申された「企業の自己改善」がはじまるように思います。