自動車メーカー 「マツダ」の業績好調が続いています。
「スカイアクティブテクノロジー」「クリーンディーゼル」、デザインテーマ「魂動」など、CX-5が登場してからのマツダは、ブランドイメージが大きく変わりました。

月刊誌『致知』に掲載されていた、マツダ会長の金井誠太さんのインタビュー記事を読んで、業績好調の快進撃は、このリーダーあってのことと思いました。
十年かけて、すべてをつくり変えたという書き出しからはじまるインタビューを読むと、マツダがどのように変わっていったのかが、よくわかります。

中でも興味深かったのが、経営に対する考え方をそれまでと違って「ブランド価値経営」を柱にしたというところです。

マツダならではの独自の価値を提供して、お客様から愛され続ける唯一のブランドとして生きてゆく決意をしたのです。規模の拡大ではなく、お客様にとっての価値、つまりブランド価値の拡大をビジネスの中心に据えた経営に転換したわけです。  -月刊誌『致知』2015年11月号ー

経営トップの決断とぶれない姿勢が、いい商品を生み出した典型かと思います。

また記事の中で面白いと感じたのが、「十年後のマツダを思い描く」という考え方です。
ゼロベースからの商品づくりを叫んでも、既存の概念にとらわれ思い切ったものが生み出せないことがありますが、十年後となると無責任の思いきった夢が語れるというところです。
チームのリーダーがしっかりと方針を打ち出すことで、メンバーは目標に向かって走り出すわけです。

また「芋虫変革」ということばも印象的です。

芋虫はあまり動かないようで、ちょっと目を離すと、既に別の場所に移っています。
同様に我々も、改善を弛まずコツコツと続けることが、大きな変革の繋がろと考えました。
-月刊誌『致知』2015年11月号ー

十年かけて、すべてをつくり変えた氏が言われておりますので、ホントに説得力があることばです。

氏はリーダーシップの神髄を問われて、「志」を持っていることと答えておられます。

リーダーは、社員に夢と希望を持たせ、情熱と誇りと自信を持って仕事をしてもらわなければなりません。
そのためにはリーダーに、夢と志が不可欠だと思うんです。
-月刊誌『致知』2015年11月号ー

大阪のモーターショーに行ったとき、デザイン エンジンそれぞれの開発担当者のトークショーがあり、それぞれが、雄弁に楽しそうに自社商品のことを語っている姿を印象的に記憶していますが、リーダーの思いが伝わっているんだなと、この記事を読んで思いました。