二十ごろ、とあるホテルでボーイのバイトをしてました。
当時は株価30000円越えのバブル全盛期でしたが、高級シティホテルといえども、先輩の理不尽が当たり前の水商売。当時でも時給は良かったですが、悔しくて自分の感情をどうしていいか分からず、所持金50円で繁華街を飲み歩き、ツケの支払いでバイト代が無くなり、またツケで飲み歩く日々でした。

とあるパーティーでバーカウンターを担当したとき、ひとりの紳士が「シーバス、ハイボール。氷はひとつ」とオーダーされました 。

オーダー通りお作りしたつもりのハイボール。でもNG。もう一度お作りしてもNG。
バブルで理不尽なお客様が多い時代ですから、またかと思った時、件の紳士が「君は自分が作りたい(レシピ通りの)ハイボールを作っているのか、俺(お客様)が飲みたいハイボールを作っているのか?」とお叱りをいただきました。お好みでは、グラスは常温です。
当時教えられたレシピでは、グラス(タンブラー)は冷したものでした。
海外のゲストをもてなすお立場でもあった件の紳士は、シーバスのブレンダーのファンでしたが、握手する手の体温に心配りをされておられたのを、先輩に教えていただきました。

最近、色んなバーでバイボールをいただきます。

レモンスライスやミントの葉っぱを浮かべたり、またレモンピールで薫りを付けたりします。
このように工夫したハイボールを出されるバーが多くなりましたが、私はどちらもキライで、好みのウイスキーだけをソーダでフルアップし、縦に一回だけ混ぜるスタイルが好きです。

自分がしたいことをしたいようにしていればいいのか否か。今していることは、何のためか。

シーバスリーガルのラベルを見ると、若い頃に帰るような気がします。
もう少しシーバスをハイボールで飲みながら、タイムスリップしたいと思います(^_^;)

あっ、件の紳士は、当時世界を席巻したオーディオメーカーのCEOでした。
世界中の主要な取引先をお招きしたパーティーのひとこまです。

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※facebookに書いた記事の再掲です。